昔々、あるところにガマガエルとオタマジャクシたちがおりました。
彼らが住む沼には、鶴が毎日やって来て、オタマジャクシを一匹一匹つまみ上げては、飲み込んでいました。
そこである夜、オタマジャクシたちはガマガエルに相談に行きました。
「ガマガエルさん、鶴を追い払って下さい。でないと、私たちはみんな食べられてしまいます」
可愛いオタマジャクシに頼まれて、ガマガエルは胸を張って答えました。
「俺様がグワーッと2回鳴けば、鶴はいなくなるだろう。俺様に任せろ」
それを聞いて、オタマジャクシたちは喜びました。
「流石、ガマガエルさんはすごいなぁ」
さて、次の日、太陽が昇るといつものように鶴がやって来ました。
ガマガエルがグワーッと2回鳴いて威嚇しましたが、鶴は全く気にしない様子で、オタマジャクシをついばみ始めました。
その夜、オタマジャクシたちは、またガマガエルのところに集まりました。
「ガマガエルさん、本当にグワーッと鳴くだけで、鶴はいなくなるんですか。」
ガマガエルは憤慨して答えました。
「俺様がグワーッと鳴けば、必ず鶴はいなくなる。3回鳴けば、きっと大丈夫だ。俺様を疑う奴は噓つきだ。そんな奴は、そう、反グワだ」
自信満々に断言したガマガエルを見て、オタマジャクシたちは渋々納得し、住処に帰って行きました。
さて、また次の日、ガマガエルは3回どころか何回も鳴き続けましたが、鶴は楽しそうにオタマジャクシをついばみ続けました。そればかりか、ガマガエルは足を鶴につつかれて、大怪我をしてしまいました。
その夜、ガマガエルの周りに集まったオタマジャクシは数える程でした。
わずかに残ったオタマジャクシを前にして、ガマガエルは言いました。
「俺様が鳴き続けたおかげで、このくらいで済んだんだ」
~ 教訓 ~
間違いを認めなければ、間違えたことにはならない・・はずがない。
根拠の無い狂人を信じてはいけない。